ナミブ砂漠へと続く荒野に、小さな砂の山に石を乗せただけの「墓」が無数に連なっていた。ナミビア西部の町スワコプムントは、ドイツによる「20世紀最初のジェノサイド(集団殺害)」が起きた場所として知られている。
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かつてナミビアは「南西アフリカ」と呼ばれ、ドイツの植民地支配を受けた。ドイツ軍は20世紀初頭、反乱を起こした民族のヘレロやナマの人々の「絶滅」を図った。強制収容所をつくり、7歳の子どもですら鎖につながれた。銃弾に倒れた人もいれば、飢餓や病で息絶えた人もいた。少なくとも数万人が亡くなったとされる。
歴史を伝える小さな博物館「骨はドイツに持ち帰られた」
町外れにある小さな私設の「…